株式会社Brave groupの子会社である株式会社Game & Co.(以下、Game & Co.)では、「100年先のesportsのために」をビジョンに掲げ、esportsという共通言語を通じて、人生が充実する人が一人でも増えることを目指し、esportsシーンにおける様々な事業に取り組んでいます。
Game & Co.にて、esports事業を率いている久保に、現在のesports事業と今後の展開について聞きました。
株式会社Game & Co. 事業責任者
久保 敦俊
大学生時代から、インターネット広告事業を展開する企業で、大型esportsイベントの立ち上げと運営を経験。その後カードゲームのプロプレイヤーとして活動しながら、VTuber事業を運営している企業に転職し新規事業の運用に従事。その後、株式会社Brave groupの子会社である株式会社バーチャルエンターテイメントに入社。現在はGame & Co.にてesports事業の事業責任者を担当。
久保さんは以前もesports業界で働かれていたとのことですが、なぜesports業界に入ったのでしょうか?
そもそもesports業界を目指したのは、大学生の頃にカードゲームの世界大会に出場する機会を得て、日本と海外の大会の規模の違いやesportsシーンの成熟度の違いを強く感じたことがきっかけでした。
その後、当時インターンとして働いていた株式会社サイバーエージェントで、ずっとesportsの関連事業をやりたい!と手をあげていたら、「RAGE」というesportsブランドの立ち上げ期から携わるチャンスをいただき、2年ほど予選大会の運営責任者や、プロリーグの設立に従事しました。
当時としては最大規模の1万人以上の予選大会を運営したり、日本初の給与制プロリーグを設立したり、自分が思い描いていたesportsでやりたいことをやりきったなと。
ちょうどその頃、企業からスポンサーを受けカードゲームのプロプレイヤーにならないか、と声をかけていただき、土日稼働の多いesports業界から離れプロプレイヤー活動に専念する選択をしました。
半年ほどプロプレイヤー専業でいましたが、ある程度生活のリズムも掴めてきたタイミングで転職活動を行いました。
転職でesports業界に戻ることも検討していましたが、元々新しい技術やエンターテインメント領域が好きだったこともあり、当時まだ新しい業界だったVTuber事業を運営しているベンチャー企業へ転職しました。そこではVR技術を利用した新規事業のリリースから運用まで担当し、新規事業の楽しさと大変さを強く実感しました。
そしてもう一度バーチャルエンターテイメントでesports業界に戻ったということですが、バーチャルエンターテイメントにはどんな魅力を感じたのでしょうか?
入社を決めた理由は3つあります。
まず1つ目は、自身のバックボーンである「esports」や「VTuber」といった領域で新規事業に携われる企業である、ということです。過去経験した業界というのもありますが、仕事をする上で常に成長している業界で働きたいという想いがあったため、esportsとVTuberという成長領域で新規事業に取り組めるというのはとても魅力的でした。
2つ目は「強いIPを持っている」という点です。
以前esports業界にいた頃、自社IPを持っている企業様と連携しながら大会を運営するシーンが多く、IPを持つ側としてesportsに関連した様々な施策を打っていきたい、という想いを持っていました。バーチャルエンターテイメントでは「ぶいすぽっ!」というIPがありますし、Brave group全体でも多くのIPを所持しているのが魅力でした。
3つ目は、その当時のバーチャルエンターテイメントが組織としてまだ確立されていなかった点ですね(笑)
前職もベンチャー企業ではありましたが、社員数も事業規模も成熟してきた段階でした。一方でバーチャルエンターテイメントは、社員数も少なく、新規事業を立ち上げるにも人手が全く足りていない状況で。「ここでなら大変だろうけど、絶対にやりがいある働き方が出来る」と感じました。
久保さんの今までのご経験やご志向がピタリと合致したのが、Game & Co.に分社する以前のバーチャルエンターテイメントだったんですね。
では、Game & Co.のご紹介をお願いします!
これまでesports領域はIncubation事業の一つとして、esportsの大会運営を中心にバーチャルエンターテイメントが事業展開してきました。esports市場が拡大していく中で、esports領域を重点分野ととらえ、新規事業開発や事業拡大を推進していくために、「100年先のesportsのために」をビジョンに掲げ、Game & Co.として分社子会社化し事業を行っています。
そして、現在Game & Co.には3つの事業があります。
1つ目がesports事業です。JAPAN CHAMPIONSHIPやPUBG SCRIM JAPAN、PSJ Beyond Cup等、競技シーンやコミュニティ大会を問わず大会やスクリムの運営を行っています。大会運営をよりスムーズに進められるように、必要なツール開発等も行っています。
2つ目がesports教育事業です。「本気でゲームが上手くなりたい人に対して本気で向き合う」というサービスビジョンを掲げ、CR Gaming Schoolの運営を行っています。
日本を代表する大手esportsチーム『Crazy Raccoon』との共同事業として、ゲームの上達に特化したゲーマーの可能性を広げる新たなオンラインサービスを提供しています。
100年先のesportsシーンのことを考えると、今後課題になってくるのは次世代を輩出する仕組み、つまり教育だと考えました。そのため、CR Gaming Schoolを始めとしたesports教育事業を推進していくことで、「ゲームが上手くなること」の価値を広げ、囲碁や将棋といったようなタイトルと同じく教育的価値があるものと一般的に認識されることを目指しています。
3つ目が新規事業開発です。拡大している国内外のesportsシーンにおいて、新たな事業を作り出す事をミッションとしています。
100年先のesportsシーンのため、現在のesportsシーンで変えたい現状・叶えたい世界が私達にはあります。目指す未来のために、ゼロイチで様々なサービスを生み出す挑戦を行います。
野球やサッカー等が数十年かけて大きな仕組みを作ってきたように、「esports」という共通言語を通じて、世代や立場関係なく共に楽しみ、本気でesportsに取り組んだ人が評価され、「esports」に関わる多くのプレイヤーが充実した人生となるように様々な事業を作っています。
ありがとうございます!
では、今後の事業展開についてお話しできる範囲でご教示いただけますでしょうか。
はい、直近は主に教育事業に注力したいと考えています。
先ほどもお伝えしたように、現在のesportsシーンにおいて最も課題に感じているのは「次世代の育成」です。
esports市場単体で見ると、私たちが何もしなくても市場は成長していくと思います。一方で、現状日本は有名なesportsタイトルにおいて、中々結果が出ていないのも事実です。このまま20年後・30年後に新たなスタープレイヤーたちが生まれたり、自分が心から楽しみながら国際大会を観戦したりできる状況になっているとは断言できない、そう感じています。
そのためには、次世代のesportsプレイヤーを排出する仕組みを作ることと、裾野を広げていくことが大事だと考え、esports教育事業により注力していく運びとなりました。
例えば「勉強」という分野でいえば、高校や大学の教育機関はもちろん、予備校や塾、オンライン指導塾、個別指導、勉強を教えない塾など、様々な選択肢があり、様々な方法で学ぶことができます。
しかし、ゲームを上達させたいと思った時に、まだまだ選択肢が少ないのが現状です。例えば専門学校など、数年間かけてゲームやゲーム関連領域を学ぶことができる場は少しづつ増えてきていますが、私たちが提供しているサービスのように学業や仕事と両立したり、本当のトッププレイヤーから指導を受けたりできる場所はまだ多くありません。
確かに、学業や仕事と両立できる環境が整備されたら、よりゲームを上達させたいと思われる方が増えてきそうですね!
では、より長期的な観点ではいかがでしょうか?
いずれはサッカーでいうJリーグのような組織や文化を、esportsで創出したいと考えています。
今年2023年、Jリーグは設立してから30周年を迎えます。数十年先のことを考えながらesports事業を進めていくことで、いつかJリーグに匹敵するような文化を作っていきたいと考えています。
その中で特に大事にしていることは「裾野を広げること」です。
スポーツでは草野球や少年サッカーに当たるような文化がesportsにはまだありません。競技シーンをより大きくするだけでは、シーン全体として歪なピラミッドになってしまいます。そのため、私たちはライトなプレイヤーや小学生、中学や高校の部活動といった層がesportsを気軽に楽しめるような環境作りに取り組んでいきたいと考えています。
ありがとうございます!
では、最後にこの記事を読んでいるであろう未来の仲間に向けて、一言いただけますか?
はい。
esports元年と呼ばれてから、はや数年が経ちますが、着実に市場は成長しています。成長を続けている市場において、新しいことに挑戦したり、今この世に存在しないようなサービスを生み出したりと、非常に面白くやりがいのある仕事が出来るのがesportsという領域です。
新規事業に挑戦することを、グループ全体としても非常に前向きに捉えてくれます。
新しい領域なので、わからないことや大変なこともたくさんありますが、何より非常にやりがいのある仕事ばかりですし、メンバーもesportsシーンに対する熱い想いを持った方が集まっており、当社からesportsの新しい文化を創り出したい!というエネルギーが溢れています。
esportsシーンに抱く強い感情を持っている方がいらっしゃれば、是非私達と一緒に叶えましょう。
ありがとうございました!
ありがとうございました。
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